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院長 山本従道からの病気のお話



インフルエンザについて

寒い季節を迎え、風邪のはやる時期になりました。
普通の風邪とインフルエンザは違う病気ですので、ちょっと知識を整理しておきましょう。

カゼというのは、風邪とか感冒とか書きますが、
ウィルスなどの感染により起こる鼻、のどなどの急性炎症です。
その炎症のために、痛みがでたり(のどの痛み)、腫れたり(鼻詰まり)、熱が出たり(発熱)
分泌物が多くなったり(痰、せき)します。
のどなどの局所だけの炎症がひどくなれば、
症状が全身に及び他のいろいろな症状を伴ってくることもあります。
花粉症や蓄膿症や鼻茸などによる慢性の炎症でも同じような炎症症状が出てきますので、
いわゆるカゼとこのような慢性の病気の鑑別も大切です。
(治療法が異なります)

さて、インフルエンザというのは、
インフルエンザウィルスによって起こるカゼのような症状を示す感染症です。
カゼとの症状の違いは、高熱であること(39〜40度)、筋肉痛などを伴うこと、
目の充血などがあることなどです。(表@参照)

病気を起こすウィルス(病原体)もカゼの場合は不特定の多数のウィルスがありますが、
インフルエンザの場合は、数種類に分けられA香港型などがあります。
近年、冬場のインフルエンザの流行から、肺炎などで亡くなるケースがあることから、
新聞などでよく報道され皆さんもご存知のことと思います。

1998年は、127万人が罹り、そのうち528人が肺 炎などで死亡されています。
死亡の80%は、65歳 以上の高齢者ですが、乳幼児で脳症を起こすことも注意が必要です。
特に、結核の後遺症や心疾患などで心肺機能が低下している方に、重症化例がおおく、
ハイリスクグループ(危険度の高い群)と考えられます。
また、予防の必要なヒトとして、医療従事者や老人の集まる施設の勤務者など、
受験生などもインフルエンザに罹って欲しくない人たちです。
このような情勢の中で、副作用のないワクチンが開発され
平成10年ごろからワクチン接種が広く行われるようになっています。
厚生省が保険診療として認可する日も近いですが、
今は自由診療として(自費で)ワクチン接種ができます。
昨年は、2回打ちが原則で全国的に不足しましたが、
様々な研究から65歳以上の方、及び昨年も打った方は1回でよいとのことになりました。
有効性 については、表Aを参考にしてください。

さて、インフルエンザに罹ったときには、発症後48時間以内にはその悪化進展を防止する
内服薬があります。
しかしこれは、パーキンソンの治療薬でもあり脳に効くので
一般内科の医師としてはあまり処方をしたくない薬の一つです。
やはり、水分をしっかり取ったりして養生する以外にありません。
予防が一番で、はやる時期にはうがいなどが最も手軽で安全で有効です。

項目 普通感冒 インフルエンザ
発症 徐々に 急性
初期症状 くしゃみ・鼻水・咽頭乾燥感 さむけ・頭痛
主症状 鼻水・鼻づまり 発熱・全身痛
寒気 ある ない
発熱 37.5 39〜40
全身筋肉痛 ない ある
食欲不振 ない ある
鼻炎 ある ない(少し)
咽頭充血 ない(少し) ある
結膜充血 ない ある
合併症 ない 肺炎
病原ウィルス ライノ・コロナコクッサキー インフルエンザ

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