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院長 山本従道からの病気のお話



前立腺肥大症について

前立腺は、男性の膀胱の出口の所で尿道を取り囲んでおり、前立腺液を分泌しています。
正常の前立腺の大きさはクルミぐらいです。(女性には前立腺はありません。)
前立腺肥大症は、加齢とともに前立腺が肥大する良性の疾患で、
肥大に伴いオシッコに何回も行ったり(頻尿)、オシッコがなかなか出ない(排尿困難)といった
症状が出ます。
高齢化や食生活の欧米化に伴い、患者数は増加しており潜在患者を含めると、
55歳以上の5人に1人、さらに80歳以上ともなると2人に1人は前立腺肥大症といわれています。

症状は第1期から第3期に分類されます。

●第1期 <刺 激 期>●
オシッコがとても間に合わない感じになる(尿意切迫感)。
トイレに行く回数が増える(特に夜間頻尿)。
●第2期 <残尿発生期>●
オシッコが出にくく時間がかかる。
全部の尿が出きらない(残尿感がある)。
●第3期 <完全尿閉期>●
昼夜を問わず頻繁にトイレに行く。
いつも大量の尿が膀胱の中に残るが、逆に尿が漏れてしまうことがある。
腎臓の機能が低下し尿毒症にいたることもある。

 臨床的に一番問題になるのは、前立腺癌との鑑別です。
幸いに血液検査で、前立腺特異抗体(prostatic specific antigen = PSA)という
ものを調べると、癌では高く出るので識別できます。
PSAが高値の場合は、泌尿器科で精密検査が必要になります。
 前立腺肥大の場合は、慢性疾患ですから、図のような日常生活の注意が必要です。(下参照)
治療は、薬物療法・手術療法・物理的療法などがあります。
最近は、さまざまな内服薬がありますので、「高齢者だから排尿困難はあたりまえ」とあきらめずに
診療所にご相談ください。


日常生活の注意点
軽い運動をしましょう!
軽い体操や散歩などをしましょう。
(ただし寒い日は控えましょう)
オシッコを我慢しないこと!
長時間オシッコを我慢すると、尿が一滴も出なくなることがあります。
過度の飲酒はさけましょう!
多量にお酒を飲むことは、前立腺肥大症の症状を悪化させてしまいます。
お酒はほどほどにしましょう。
夕方からの水分摂取は控えめにして!
水分の摂取は必要ですが、夜間トイレに行く回数の多い方は、特に気をつけましょう。
夜間頻尿の原因にもなります。
市販のかぜクスリなどに注意する
市販の薬(風邪薬、胃薬etc・・・)の中には、
オシッコを出にくくする作用をもった成分が入っているものもあります。
他の薬剤を服用する時は、医師、薬剤師に相談してください。



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