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院長 山本従道からの病気のお話



高血圧について

日本高血圧学会は、高血圧治療ガイドライン2000を作成しました。
成人における血圧の分類は表1の通りです。


(表1)
分類 収縮期血圧(mmHg)   拡張期血圧(mmHg)
至適血圧 120未満 かつ 80未満
正常血圧 120─129 かつ 80─84
正常高値血圧 130─139 または 85─89
軽症高血圧 140─159 または 90─99
中等症高血圧 160─179 または 100─109
重症高血圧 180以上 または 110以上


従来のものは、1990年版の厚生省と日本医師会の高血圧診療の手引きですが、
より細やかなものとなっています。
さらに、血圧の数値のみでなく、心血管合併症の発症に大きく関連する危険因子を加味して、
高血圧症としての重症度を層別化して治療戦略を練るという現代的な考え方になっています。

(表2) 心血管病の危険因子
 高血圧/喫煙/高コレステロール血症/糖尿病 
 高齢(男性60歳以上、女性65歳以上)
 /若年発症の血管病の家族歴

(表3) 臓器障害/心血管病
  心臓:左室肥大、狭心症、心筋梗塞の既往、心不全
  脳 :脳出血、脳梗塞、一過性脳虚血発作
  腎臓:蛋白尿、腎障害、腎不全
  血管:動脈硬化性プラーク、大動脈解離、閉塞性動脈疾患
  眼底:高血圧性網膜症


表2、表3の危険因子、臓器障害の有無によって、
表4のように高血圧症としての要注意度が分けられることになります。
このとき糖尿病は、血管合併症が起こりやすいことから、
これひとつでも有れば、高リスク群に分類することになるわけです。
(表4参照)

(表4) 高血圧患者のリスクの層別化
  軽症高血圧 中等症高血圧 重症高血圧
危険因子なし 低リスク 中等リスク 高リスク
糖尿病以外の
危険因子あり
中等リスク 中等リスク 高リスク
糖尿病、臓器障害/
心血管病のいずれかがある
高リスク 高リスク 高リスク


このようにして評価されたリスクの程度に応じて、治療方針が決定され、表5のようになります。
高齢者高血圧については、60歳以上から80歳台までの基準があり、
穏やかに、緩やかに治療するよう、別枠で提案されています。
他の合併症や個体差など加味して、個別治療を行うこととなっています。

(表5)初診時の治療計画
正常 高血圧、心血管病
の家族歴あれば
年1─2回の
血圧測定
 
正常高値 生活習慣の修正 年1─2回の
血圧測定
 
低リスク 生活習慣の修正 2ケ月以内に
血圧測定
6ケ月後にBP
140/90以上
なら降圧薬開始
中等リスク 生活習慣の修正 1ケ月以内に
血圧測定
3ケ月後にBP
140/90以上
なら降圧薬開始
高リスク 生活習慣の修正
降圧薬開始
1─2週間以内
に血圧測定
 
高血圧緊急症 入院
降圧薬開始
   


生活習慣の修正としては表6に挙げられています。

(表6) 生活習慣の修正項目
食塩制限7g/日以下
適正体重の維持(BMIで25以下)
アルコールの制限(男性では、日本酒1合まで、女性で
はその半分)
コレステロールなどをひかえる
運動療法(有酸素運動)
禁煙


ガイドラインは全体の目安です。
危険度を層別化して対応を変えるわけですが、個人差の評価が大切です。

気になることがある方は、ぜひ、クリニックアルペンローゼへお越しください!!


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