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院長 山本従道からの病気のお話



睡眠について

眠れないという症状は、診療所に来られる患者さんの訴えとしてよくあるものの一つです。
眠れないことは総てが病気ではなく、生理的な現象と考えられるものもあります。
例えば、脳が興奮したままであったり、考え事などに心を悩ませていたり・・・。
そんな時には誰でも眠れないことを経験されたと思います。

また、コーヒーやお茶を飲みすぎたり、アルコールで変に酔ったりしたときには
そういった薬物のせいで眠れなくなったりします。
このような一時的なものを一過性不眠といいます。
仕事のストレスなどが少し続いて2〜3週間程度眠れないのを短期不眠という言い方もします。
病気として考えられる、長期不眠がいわゆる不眠症というものです。
週3回以上、4週間以上にわたって眠れないという自覚が続いているものです。

  不眠の形によって3つの形に分けられ、その原因、治療薬も違ってきます。

@ 入眠障害は、床についてから眠るまでに1時間以上かかるものです。
  原因としては、嗜好品、刺激、ストレス、神経症などが関連します。
  治療としては、原因をのぞくことが一番ですが、無理なら薬を使います。
  この時に、神経症的であれば安定剤のほうが望ましいと考えられます。
  特に原因がはっきりしなければ、睡眠導入剤を使いますが、
  習慣性になったり夜間のふらつきが出たりする心配があります。
  以前若者がハルシオンという睡眠薬を乱用していることが、
  ニュースに報じられたことがありますが、
  高齢者に夜間せん妄などを引き起こすのは、睡眠導入剤のほうです。

A 熟眠障害と中途覚醒は、ぐっすり寝た感じがしないとか途中で目が覚める不眠です。
  うつ、身体疾患なども関連しますが、最近は睡眠時無呼吸症候群(いびきと無呼吸)や
  血圧の日内変動(以前説明しました、non−dipper)などの領域とも関連して
  いろいろ研究されています。
  治療としては、作用時間の長い睡眠剤を使うことになりますが、
  翌朝に残らないようにつかいたいものです。

  B 早朝覚醒というもう一つの特徴的な不眠の形があります。
  これは、多くはうつ症状が関連しています。
  夕食時か眠前に抗うつ剤を使用するとよいことが多いです。

不眠症患者への生活指導
〜良い睡眠をとるためのポイント〜
●眠くなってから床に就く。
●必要以上に眠ろうと焦らない
●眠るために読書などの習慣があれば続ける
●日中の居眠り、昼寝などは我慢する。
●規則正しい生活習慣を身につけるとともに、起床時刻を一定にする。

〜日常生活の注意事項〜
●寝酒は我慢するか出来るだけ少量にとどめる。
●夕食以降のコーヒー・紅茶はひかえる。
●タバコの吸い過ぎも睡眠を妨げるので注意する。
●空腹で眠れない時はミルクなどの消化の良いものにする。
●適度な運動や入浴などでストレス解消に心掛ける。


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